きんさんぎんさんとにみる、噛めば噛むほど長生きできる?
「8020(ハチ・マル・二イ・マル)運動」はご存じの方も多いと思います。
1989年に当時の厚生省と日本歯科医師会が「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」ということをスローガンに始まった運動です。
わたしの父親、今年の10月で88歳(米寿)になります。
もう平均寿命(男の平均寿命は 81.47 年、女の平均寿命は87.57年)をとうに超えていますが、治療した個所はありながらも欠損や入れ歯はありません。すべて自分の歯です。
歯を多く残すことのメリットのひとつとして、認知症の予防ということがあるようですが、わたしの父親の場合はどうなのでしょう?
年齢相応といえばそうなのかもしれませんが、脳は委縮して影も所々にみえています。
・認知症が進行中。
・動脈硬化があちこちにあります。
・高血圧症、尿酸値が高いなど細々な症状があります。
・片目は失明
しかし、足腰は比較的丈夫で走ることはもちろんできませんが、遅いながら歩くことはできます。
自転車も乗ります(片目見えないので、乗らないで欲しいとお願いしていますが、いうことを聞いてくれません)
これらのことは、88歳にもなれば8020は関係なく仕方のないことかもしれませんが、きんさんぎんさに関するある面白い記事を読みました。
きんさんぎんさんたちの歯は、妹のぎんさんが3本で、姉のきんさんは歯が1本も無かったということです。
しかも、入れ歯はお二人とも入れていなかったようです。
そんな状況にもかかわらず、108歳までお元気に暮らしていました。
例えば、
・血管は柔らかく、動脈硬化はとても軽かった。
・胃の粘膜はとてもきれい。
・心臓には老化物質が多く蓄積され、心不全の原因になった。
・肺はスポンジのように柔らかかった。
・脳には若干の老人斑の沈着がみられ、軽度のアルツハイマー型認知症だった。
(脳の血管の柔らかさは保たれていた。)
・肝臓、すい臓、腎臓などの他の臓器は良い状態が保たれていた。
・どの臓器にもがんはなかった。
歯がなく健康に長生きできたのはなぜでしょうか?
もちろん、これをしすれば長生きできます。と言うような決定的なことは分かりませんが、やはり「食べる」という行為が大きく影響しているのかと思います(個人的見解)
きんさんぎんさんがよく食べられていたのは、「お粥」「まぐろ」「野菜の煮物」だったそうです。
「お粥」といってもドロドロな状態ではなく、箸でも掴めるくらいの固さだったようで、歯がない状態でも十分に咀嚼して食べられていたと思います。
「野菜の煮物」も柔らかくなりすぎず、かつよく噛むことができるように工夫されてたのかと思います。
「健康日本21」では、歯・口腔の健康が健康寿命の延伸に関連していることは明らかにされております。なので、8020は意味がないということはありません。歯が残っているいることは絶対に良いことです。
大切なのはよく嚙むことなのです。
きんさんぎんさんは、食材や調理法を工夫してしっかりと咀嚼をして食事をする習慣があったことが、健康に長く生きられたことに大きく影響していたと感じます。
歯が十分に残っていても、あまり噛まない食生活はからだににはかなりの負担になるのだと考えられます。
それにしてもわたしの父親、歯がたくさん残っていてよく噛んで食事をしていると思うのですが、認知症が日々進んでいくというのは何故なのか?
健康長寿を目指すならば「噛む」ことだけではなくもっとたくさんの要因が関係してくるのでしょうね。